舞台写真集

嶋之亟丈 花ごよみ



「恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)〜封印切(ふういんぎり)」の「梅川(うめがわ)」

国立文楽劇場

「四年この方廓(くるわ)へ来て、門出(もんで)の勝手も知ったお前、ナゼそのようにせかしゃんす」
相思相愛の忠兵衛が身受けのお金を払い、ようやく遊女の身の上から足を洗えると喜んだのも束の間、切れば死罪を免れぬ為替の封印を切ってしまったと知らされ、心中を覚悟します。
上方歌舞伎会でつとめました。
「曾根崎心中(そねざきしんじゅう)」の参詣人

南座

お初徳兵衛の心中を描いた、近松門左衛門の名作、曾根崎心中。
お初の恋人、徳兵衛は九平次に金を騙し取られた末、逆にかたりの汚名まで着せられ、大勢の参詣人の面前で散々に打ちのめされます。
この参詣人は折り鶴の柄の小紋に、自前の風呂敷(朱色の鮫小紋)。嶋之亟丈お気に入りの扮装の一つです。
「お艶(つや)殺し」の芸妓「雛子(ひなこ)」

新橋演舞場

谷崎潤一郎原作のお芝居「お艶殺し」。このお芝居に登場する芸妓の「雛子」は出番こそ短かったものの、風情のある、気のいい役でした。
朋輩と二人で登場するのですが、時代劇映画のスターであった大川橋蔵丈が歌舞伎界におられたころ、二人のうちのどちらかをなさっていたそうです。
「三国伝来玄象譚(さんごくでんらいげんじょうばなし)」「沙羅姫(さらひめ)の侍女」

歌舞伎座

安部晴明(あべのせいめい)を描いた「陰陽師(おんみょうじ)」でヒットを飛ばした夢枕 漠さんが脚本を担当。坂東玉三郎丈の妖怪沙羅姫、中村勘九郎丈の盲目の琵琶法師蝉丸。琵琶の名器、玄象(げんじょう)をめぐって、おどろおどろしい世界が繰り広げられます。
「鳴神(なるかみ)」の「雲絶間姫(くものたえまひめ)」

京都府立文化芸術会館

鳴神上人(なるかみしょうにん)の行法によって都は雨が降りません。朝廷の命によって、遥か深山の奥までやって来た絶間姫(たえまひめ)はその色香によって上人の心を惑わし、滝壷を封印した〆縄を切ると、雷鳴が轟き、雨が降ります。
「古典芸能を考え楽しむ四夜連続講座」の折りに「女形のできるまで」として扮装し、短いくだりを演じました。
「恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)〜新口村(にのくちむら)」の「梅川(うめがわ)」

国立文楽劇場

<落人の為かや今は若草の、芒(すすき)尾花(おばな)はなけれども、世を忍ぶ身の後や先、人目を包む頬冠り、隠せど色香梅川が、馴れぬ旅路を忠兵衛が、温められつ、あたためつ、石原道をはかどらぬ>
心中を決心した二人ですが、忠兵衛の故郷、新口村に立ち寄り、偶然会えた孫右衛門と嫁、舅、親子の対面をはたします。そこへ追っ手が迫り涙ながらに雪道を去っていきます。上方歌舞伎会でつとめました。




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