片岡嶋之亟、私の生い立ち 第8回



 <「竜安寺秘聞 石の庭(三幕六場)」のこと>

 タイトルは覚えていないが龍安寺の石庭をテーマにしたお芝居があり、尾上松緑旦那が主演されて歌舞伎座で上演されたことがあるはずだ、というご住職のお話で早速調べてみました。
 昭和34年6月の歌舞伎座公演夜の部で上演された「竜安寺秘聞 石の庭(三幕六場)」のことだと判りました。原作は有吉佐和子、演出は松浦竹夫。配役は足利義政(尾上九朗右衛門)、細川政元(坂東鶴之助)、善阿弥(尾上鯉三郎)、小太郎(市村羽左衛門)、末二郎(尾上松緑)、かよ(中村福助)、白砂(尾上梅幸)と当時の番付にありました。坂東鶴之助とは、現中村富十郎旦那、中村福助とは、現中村芝翫旦那のことです。
 そして当時新進の女流作家有吉佐和子のこの作品は歌舞伎座公演の前にNHKのドラマにもなっていました。昭和32年11月22日放送のテレビドラマ「石の庭」がそれで、和田勉演出、NHK大阪局制作の56分ドラマ。久米明・石田茂樹・高森和子・鳳八千代ほか新春座の出演。ドラマでは応仁の乱後、相阿弥によって再興されたとされる竜安寺方丈の前庭を造った小太郎と末二郎兄弟の庭造りに賭けた姿と、時の権力者たちに翻弄される、叶わぬ恋が描かれています。



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